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社長ブログ
President Blog

報酬のない汗がもたらすこと

さて、今回のブログをを書くきっかけは、株式会社 黒壁の田中社長が勇退されたことでした。

長年にわたり黒壁スクエアの創生と発展を支え、歴史的建築の活用やガラス文化の発信、街並み保全と観光振興を両輪に、長浜の魅力を全国へ届けてこられました。また、田中社長ほど黒壁スクエアを見回り街中の方々と関わった社長はいません。

その歩みは、利益だけでは測れない「地域のための経営」の象徴であり、私にとって"利他の価値"を改めて見つめ直す大きな契機となりました。

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「満足」と「幸せ」は同じではない。

誰かのために汗をかくとき、人は不思議と満たされる。

私は35歳で長浜青年会議所に入会したとき、まさにその感覚を強く覚えました。報酬も肩書きも関係なく、地域のために議論し、準備し、走り回る。終わったあとに残るのは疲労ではなく静かな充実感。

35歳で長浜青年会議所に入会し、右も左も分からないままFTや青少の事業準備に走り回りました。入会3年目のまちの事業で気がついたのは、「報酬のない汗が、人を一番成長させる」という事実です。

夜遅くまで議論し、当日は裏方で走り、片付けが終わるころに胸に残るのは"疲労"ではなく"充実"でした。

自分のためではなく誰かのために動く=利他の精神を、身体で理解できた瞬間でした。

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今の私も、その延長線上にいます。

子ども食堂(二十一回夢食堂)、長浜ロータリークラブ、曳山「高砂山」、湖北市民会議。どれも謝礼はありません。

汗を流す時間が自分を整え、地域の笑顔が最大の報酬になります。「利他の精神を実践できている」と実感できる瞬間です!

当社は「先義後利」の精神を経営判断の軸に置いています。

義を先に、利は後から。利他の行動は、すぐに売上に換算できるものではありませんが、やがて"信頼"というかけがえのない資産になって返ってきます。

仲間が集まり、応援が集まり、学びが集まる。結果として仕事もうまく回りはじめる。

この循環を、私は現場で何度も見てきました。

だからこそ、社内のみんなにも伝えたいことがあります。

「誰かのために一歩」を、先ずは仲間の為に日々の志事の中で積み重ねてほしい。

小さな利他の積み重ねは、やがて自分の誇りになり、当社の文化になります。

地域に汗をかく仲間が増えれば、街も会社は、もっと温かく、私たちの志事はもっと意味深いものになるはずです。

引き続き、私は先義後利を胸に、利他の実践を続け、幸せの循環を広げていくと誓う。

追記

最後に田中社長、長年のご尽力に心から感謝申し上げます。地域の未来に本気で向き合う背中を見せていただいたことを励みに、私も長浜の為に汗をかき続けます。