お天道様
さて今回は自身の戒めに。。。
信用を削ってまで、利益を取りにいくのか?! 当社毎ではありませんが、経営をしていると、ときどき理解に苦しむ場面に出会います。
例えば、不動産や土地の売買。
土地について相談を受けた側が、その立場や情報を利用して、自分の利益につなげる。
あるいは、付き合いのある会社の人財に、経営者自ら直接 引き抜きのアプローチする。
そして飲食店であれば、観光地の限られた商圏の中で、お隣同士の距離に、あえて同じ業態をぶつける。
もちろん、商売には競争があります。
不動産であれば、良い物件を仕入れたい。
経営者であれば、良い人財を採用したい。
飲食店であれば、売上を伸ばしたい。
それ自体は当然です。
ただ、何をしても利益が出ればいい、という話ではない。 私はそこに「商道」があると思っています。
不動産は特に、情報の差が大きい商売です。だからこそ、相談された側には誠実さが必要だと思う。
また、観光地の商売も同じです。限られた商圏だからこそ、周囲との関係や地域全体の価値を考える必要がある。
私なら、お隣の距離に同じ業態があるなら、あえて同じ商売はしません。
少し業態をずらす。
違う価値をつくる。
地域全体でお客様の選択肢を増やす。
そうすれば、自店だけではなく周りの店にも人が流れ、回遊性が生まれる。
結果として、店が良くなり、商店街が良くなり、街そのものが良くなる。
観光地の商売は、自店だけが勝てばいいのではなく、地域全体の魅力をどう高めるかも大切だと思っています。
相手との関係性を利用する。
情報格差を利用する。
人財を奪う。
すぐ隣で同じ商売をぶつける。
それによって成果を得たとしても、本当にそれを「経営手腕」と呼べるのでしょうか。
私にはそうは思えませんね。
利益を得ることと、利益を奪うことは違う。
短期的には得をするかもしれない。
しかし、義理を欠いた商売は、そのたびに少しずつ信用を削っています。
そして厄介なのは、信用には決算書のような残高が見えないことです。
「あの人には大事な相談をしない方がいい」
「あの会社とは深く付き合わない方がいい」
そう思われた時から、静かに人は離れていく。
そして、もう一つ思うことがあります。
若さゆえの未熟さなら、まだ分かる。
しかし、長く商売を続け、人生経験も積んだ経営者であるなら、利益の出し方だけではなく、義理、人情、節度まで磨かれていてほしい。
売上が増える。
資産が増える。
会社が大きくなる。
それだけが、経営者としての成長ではないと思います。
歳を重ねるほど、利益の取り方まで美しくなる。
私は、そんな経営者でありたい。

そして、経営を続けるほど強く思うことがあります。
商売は、自分たちだけが豊かになるためにあるのではない。
お客様の役に立つ。
働く仲間の生活を支える。
取引先と共に成長する。
地域に必要とされる志事をつくる。
その積み重ねの先に、会社の利益がある。
私はそれが「世のため人のため」に商売をするということだと思っています。
決してきれい事ではありません。
世のため、人のためになる会社だからこそ、人から選ばれ、信用され、長く必要とされる。
そして、その信用の積み重ねが、結果として会社を強くしていく。
だから迷った時ほど、「先義後利」でありたい。
まず義を考え、その後に利益がついてくる。
義理を欠いてまで取る売上はいらない。
誰かを出し抜いてまで取る利益もいらない。
土地も、人財も、商圏も同じ。
自分たちで価値をつくり、課題を解決し、その対価として正々堂々と利益をいただく。
そして、自社だけではなく、周りの会社や地域にも良い影響を生む。
会社が良くなる。
取引先が良くなる。
仲間たちと共に良くなる。
そして、街も良くなる。
そんな商売こそが、「世のため人のため」につながっていくのだと思います。
そんな商売の方が、時間はかかっても強い。
目先の利益のために信用を使う経営と、
信用を積み上げた結果として利益が生まれる経営。
私は後者を選び続けたい。
絶対に信用を換金する商売は、いつか元本がなくなるよ。
追記: 本日は、息子の誕生日。親として願うのは、成功すること以上に、仲間を大切にし、周りから信頼される人になることな。自分のためだけではなく、「世のため、人のため」を考えられる人でいてほしい。私自身も、言葉ではなく背中で伝えられる父親でありたい。志導 誕生日おめでとう。


