絶望的~②~
さて前回、印刷会社を例に、「自社の仕事のワークフローを理解し、分解できない経営者は無理ゲーだよ」という話を書きました。
今回は、その続きです。。。。
仕事を分解するのと同じように、顧客の声も「事実」と「感想」「評価」に分ける必要があります。
たとえば、
「納品予定日より2日遅れた」これは事実。
「対応が遅い」これは評価。
「見積金額が12,000円だった」これは事実。
「12,000円は高い」これは評価。
「担当者が冷たかった」これも感想です。
もちろん、感想を無視するという話ではありません。
大切なのは、「なぜ、そう感じたのか?」まで分解すること。
返信まで何時間かかったのか? 仕上がりの何が悪かったのか? 本当に価格が高いのか?
それとも、価格に見合う価値を提供できていないのか?ここまで掘って、初めて改善できます。
「クレームがあったから次から気をつけよう」「もっと丁寧に対応しよう」これでは改善ではなく、ただの精神論です。
そして、もう一つ危険なのが「人への依存」。
Aさんならできる。 Bさんならできない。 ベテランがいないと仕事が回らない。それは会社が強いのではなく、その人が強いだけです。
だから、仕事を分解する。
仕組みにできる仕事は、システムパワーへ。
外部の方が強い仕事は、アウトソーシングへ。
人は、人にしか生み出せない価値へ。

印刷会社であれば
企画・編集 → 原稿・素材整理 → レイアウト → 校正・修正 → 印刷 → 納品まで分解する。
また、すべてを自社で抱える必要はありません。
標準化できるものはシステム化する。
自社で持つ意味が薄いものはアウトソーシングする。
そして、重要なことは人は何をするのか。
顧客がまだ言葉にできていない課題を見つける。
相手の立場や事業を理解する。
一歩先を提案する。
そして、その課題を解決して、お役に立つ。
私は、ここに人が介在する本当の価値があると思います。
単に「言われた業務(仕事)をこなす」だけなら、これからますます仕組みやAIに置き換わっていく。

大切なのは、「何を依頼されたか」ではなく、「この人は何に困っているのか」を考えること。
その課題を見つけ、解決し、「あなたにお願いして良かった」と言っていただく。
作業の対価ではなく、課題解決の対価をいただく会社になる。ここを目指すべきだと思います。
クレームも同じです。
事実 → 評価 → 原因 → 改善 → 仕組み化まで分解する。
犯人捜しをして「誰が悪い」で終わる会社と、「なぜ起きたのか」を構造で捉え、次に起きない仕組みに変える会社。
この差は、数年後に大きくなります。
そして、この解像度が必要なのは経営者だけではありません。
経営幹部にも絶対に必要です。
現場の声をそのまま経営者に伝えるだけなら、ただの伝言です。
事実と感想を分け、原因を分解する。
そして、「だから、こう変えるべきです」まで持ってくる。
その先にあるのは、「どうすれば顧客の課題を解決し、もっとお役に立てるのか?」という視点です。
ここまで考えて、経営幹部だと思います。
前回は「仕事を分解する」。今回は「顧客の声を分解する」。結局、大切なのは、構造を理解し、解像度を上げること。
システムにできることはシステムへ。
外に任せるべきことは外へ。
そして、人は、相手の課題を見つけ、解決し、お役に立つことへ。
経営者と経営幹部が、この解像度を持てるか。
これからの当社の強さは、ここで大きく変わると思います、引き続き当社の経営幹部として、誇りを持ち、共に学び続けましょう。
追記:当社の福祉事業部・看護師の「価値」は、目の前の人の課題を解決し、お役に立つこと。事実として資格や知識、技術があるのはプロとしての前提条件。利用者や家族が見ているのは、その先の「人間力」にみ。具体的には、寄り添い、話をしっかり聞く。困りごとに気づき、迅速に対応する。そして、課題を一つひとつ解決していく。制度や資格だけでは、人の心は動きません。
最後に選ばれるのは、「この人に相談したい」「この人なら任せられる」と思ってもらえる信用。本当の人の価値だと考えます。


