あと半年だから。。。
前回は、食料品の消費税が1%になった場合、仕入価格、原価率、粗利がどうなるのかを書きましたよね。
今回はもう一つ。「お客様の消費マインド」について。
過去、日本では消費税率を上げた後に、個人消費が実際に落ち込んだ事実があります。
① 1997年 3% → 5%
増税後の4〜6月期、実質の民間最終消費支出は前期比▲5.3%。駆け込み需要の反動などもあり、大きく落ち込みました。
② 2014年 5% → 8%
増税後の4〜6月期は前期比▲5.0%。増税前の駆け込み需要から一転して、個人消費が大きく減少しました。
③ 2019年 8% → 10%
増税後の10〜12月期は前期比▲2.9%。2014年ほどではありませんでしたが、消費税引上げの反動に加え、台風や暖冬の影響もあり、消費は落ち込みました。
つまり、
税率が変わる
→ 消費者が支出に慎重になる
→ 外食を控える
→ 売上が落ちる
という動きは、過去にも起きています。

今回もし、スーパーの食料品は1%、外食は10%のままとなれば、「家で食べた方が安い」という意識が強くなる可能性があります。
飲食店にとって怖いのは、外食が今まで以上に贅沢に見えること。
そして、外食回数が減ること。
例えば月商1,000万円のお店で、客数が5%落ちれば、
1,000万円 → 950万円。
ここで前回の話と重ねると、
原価率36%
→ 仕入価格6%上昇
→ 原価率38.16%
となり、
売上950万円なら粗利は約587万円。
元の粗利640万円から、月約53万円、年間約636万円の粗利減ってコトです。
ここで大事なのは、
粗利が下がるということは、利益が減るだけではないということ。
人件費、家賃、光熱費、広告費、借入返済、設備投資などは、粗利が原資です。
つまり粗利が減ると、人にかけるお金も、設備投資も、販促も、未来への投資も弱くなる。
だから今回、「食料品が減税されるから良かった」で終わるのは危険です。

必要なのは、
価格ではなく、価値を上げること。
家では食べられない料理。家では味わえない空間。家では受けられない接客。記念日、体験、ストーリー。つまり、「わざわざ行く理由」をつくる。
これからの飲食店は、ただ食べ物を売るだけでは存続はできない。
原価が上がり、粗利が悪くなる、消費マインドが落ち、客数も落ちる。そこまで想定した上で、それでも選ばれる店になる。
そして、もう一つ大事なのは、制度が始まってから動くのでは遅い。ということです。
仮に2027年4月から制度が始まるなら、残りは約半年。
この半年で、何を変えるのか。何を守るのか。何に投資するのか。ここを決めて、計画的に進める必要があります。
大事なのは、4月になってから考えるのではなく、4月には対策が終わっている状態をつくること。
残り半年で準備、数字を見て、仮説を立て、実行して、修正する。制度がどうなるかを待つのではなく、制度が変わっても負けない店を、今からつくる。これが重要なポイントで、必要だと思っています。
残り半年は、様子を見る半年ではなく、準備する半年ですよ!さぁ共に邁進しましょう!
仲間たちの気付きになれば幸いです。
追記:2027年4月からの食料品1%・外食10%という制度設計については、今後変更される可能性があります。


