バイアス① 優越の錯覚
さて、今回は私自身が意識しているバイアスに関する一部「ダニング=クルーガー効果」という心理学について書かせて頂きます。
少し乱暴ですが、
結論から言うと「能力の低い人ほど自分の未熟さや他人のスキルの高さを認識できず、自分を過大評価する傾向がある」という手厳しい指摘で、「能力が低い人ほど自分を過大評価する」と言う現象をさします。
かなり一方的でしたね(笑)
彼ら(ジャスティン・クルーガー)の実験は、ユーモア、文法、論理のテストを使ったものです。
例えば、ユーモアのテストを使った実験では、被験者である65 名の大学生に30 個のジョークを読ませ、どれくらい面白かったか評価してもらう。と同時に、「あなたのユーモアの理解度は同年代のなかでどのくらいに位置していると思いますか」と尋ね、自身のセンスを評価してもらいました。
すると、実際のユーモア理解度の順位の低い人ほど、「自分はユーモアセンスがある」と自己評価を高くする傾向があったのです。
さらに、成績下位25パーセント以内の人は、総じて「上位40 パーセント程度にいる」と自分を過大評価し、逆に成績上位25 パーセント以内の人は、平均して「上位30 パーセント程度にいる」と過小評価したのです。
つまり、能力が低い人ほど、傲慢だということが示唆されたのです。
また、「あなたは平均よりも運転がうまいほうですか?」というアンケートに対しても、実にに70 パーセントが「私は平均以上です」と回答していることからも、そもそも「自分は大丈夫」「他人は自分より下」と決めつけて考えている人が多いとも言えそうです。
このクルーガー効果を理解して想像して下さい。 上司や先輩の立場のあなた! 上から目線で、根拠や信頼関係がないのに無駄に自信があるあなた! 周囲の方々は、なぜ偉そうな態度をとるのかって感じてますよ(笑)
それは、あなた自身を客観視する「メタ認知」が出来ていないから感じてます。(※当社クレドワーク P107 3人称を参照)
ダメな人(能力の低い方)に限って、自分をダメ(能力の低い方)だと認識できないことを、残酷ですが科学の力で証明しています。
自分の願望や脳の特徴などによって、実際の現象とは違う方向に考えが向いてしまう現象を「認知バイアス」と言うのですが、多くの人が「自分の能力不足を認めることがつらい」と認知バイアスの罠に陥ってますね。(※一般的には、脳科学(仕組み)を知らないので罠に陥るのが正常ですが・・・)
現実を直視することができず、その結果、成長する機会を損失してしまう......
あなたは大丈夫??
裏を返せば、困難を乗り越え上司や先輩として役職を手にした人たちは、認知バイアスに陥らずに、他人や外部環境の責任にはせずに自分と向き合ったということが言えるでしょうね。
自分を過小評価しろとは言いません。
ですが、謙虚な気持ちを抱くことは、結果的に自分自身の状態を客観的に判断するメタ認知(3人称)につながります。
「あなたが無能なら、あなたは自分が無能であることを知ることはできませんよ」
正しい答えを生み出すために必要なスキルは、正解が何であるかを認識するために必要なスキルと同じであると言えるでしょう。
人は役職などの権威性をもつと共感力に欠け、自分の行いについては寛容になる一方、他人の行いに対して厳しくなる傾向があります。
他人に厳しく、自分には甘いなんて......。
当社の仲間たちへ
私を含め完璧な人間はいません、私自身も失敗を繰り返した結果が現在に至ります。
役職者の仲間たちが前向きになり、脳は無意識に偏り(バイアス)があると考えるきっかけになれば幸いです。
追記
認知バイアスに関して、人は無意識に自分の考えに肯定的な意見を積極的に探し、否定的な意見を避けると言うものが正常な状態です。 なので、客観的な判断をして謙虚な気持ちを持つことが重要と言えます。