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社長ブログ
President Blog

準備してる

さて、今回はポストコロナへの準備として、仲間たちが「お客様 第一主義」を見直すきっかけになればと思い書いていこうと思います。


突然ですが「高校時代を振り返ってください」と言われたら、何を思い出しますか? 


多くの人は、文化祭など最も印象深い出来事(ピーク)や、受験や卒業式など高校生活終盤の思い出(エンド)を思い浮かべるのでないでしょうか。

その「ピーク」と「エンド」という2種類の記憶が、高校生活全体の印象に大きな影響を与えているという事実。


例えば、「文化祭がとても楽しかった」記憶が「ピーク」として、「志望校に合格して最高の気分だった」記憶が「エンド」として残っている場合、全体的に「とても良い高校生活だった」という評価になるはずですね。

もちろん、苦しい思いや悔しい思いも沢山あったはずですが、「ピーク」でも「エンド」でもない細かい記憶は、全体的な印象にほとんど影響を与えていません。


反対に、「いじめに遭っていてとても苦しかった」記憶が「ピーク」として、「受験に失敗して最悪だった」記憶が「エンド」として思い浮かぶ人は、「嫌な高校生活だった」という全体的な評価を下すでしょう。

この場合も、3年間で起きたほかのポジティブな出来事は、「ピーク」でも「エンド」でもないため、全体的な評価にあまり影響を及ぼさないということですね。


このように、過去の経験が「ピーク」「エンド」という2点で印象づけられる、という現象を定式化したものが、ピーク・エンドの法則。

最も感情が動いたとき(ピーク)と、一連の出来事が終わったとき(エンド)の記憶だけで、ある経験についての全体的な印象が決定されるという事です。

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では次に、行列に並ぶ経験をしたことはありますよね。


東京ディズニーランドや、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンなどのテーマパークに行くと、アトラクションには長い行列ができています。

人気のアトラクションなら少なくとも1時間、長いものでは2~3時間に及ぶことも珍しくありませんね。

しかし、せっかく2時間ものあいだ並んでも、アトラクションに乗れる時間はせいぜい5分程度。冷静に考えれば、とても不合理に思えます。


たった5分間の楽しみのために、膨大な時間を行列に捧げてもいいと思えるのでしょうか?

じつは、そこにもピーク・エンドの法則が隠れていると云えるでしょう。


「長い行列に並んでアトラクションに乗る」という一連の体験において、アトラクションに乗っている5分間はもちろん「ピーク」であり、同時に「エンド」にもあたります。

つまり、行列に並んでいるあいだの苦痛や退屈は、すべて最後の5分間によってかき消されてしまい、ほとんど記憶に残らないので、全体としては高い満足感を得ることになるのです。

実際にあなたがアトラクションに乗ったときのことを思い出してみてください。

アトラクションを楽しんでいる5分間の記憶は鮮明に思い出せる一方、並んでいたあいだの記憶は薄いのではないでしょうか。

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当社、飲食事業部も「ファースト10」と同様に「ピーク」&「エンド」の印象が重要ってことは納得いただけますよね。


ピークがどこにあるかは物事によって変わりますが、エンドは基本的に変わらないため、ピークよりもコントロールしやすいポイントといえます。(※ピークはメイン料理などで店舗側での設計・誘導は可能)

また、エンドはそもそもお客様からの評価を決定するタイミングなので、店舗においても特に注意をしてお客様対応を行う必要があります。


ポイントは、「ピーク」&「エンド」を活用するために、店舗の商品やサービスがどういったピークおよびエンドを有しているかの把握です。店舗に関わる仲間たちが、この認識があいまいであれば、ピーク・エンドの法則の有効な活用は果たせません。


例えば、顧客が注文した料理が品切れで提供できないといったことがあれば、体験のピークにおいて良くない印象を抱くでしょう。

それでも、退店のタイミングで良い印象を与えることができれば、その印象が店舗に対するイメージとして残る可能性は高いです。

この機会にロジックな設計から「ファースト10」・「ピーク」&「エンド」を考えるきっかけになれば幸いかと・・・・・

「お客様第一主義」接客にとって根幹にかかわる重要性を秘めていますよ。

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