啓発録 五訓
このタイトルの言葉をご存知の方はどの位いらっしゃるでしょうか?
幕末好きの方なら知ってる人も多いかもしれませんね。
幕末の天才(※個人的に)橋本左内さんが数え年15歳のときに偉人、豪傑の言動や精神を学び触発され、自らを奮い立たせる為に記した「啓発録」と言う5つの項目のうちの一つです。
橋本左内さんは、小さい頃から、「自分に足りないもの何か、弱点は何か、そのためにはどう改善したら良いか。」と考えながら、自己の存在を客観的に分析した人物です。
そして15歳の時に、自分自身の人生訓として、これから立派な大人になるための心得を「啓発録」として書き上げました。
今回は仲間たちに「啓発録」の五つの教訓を紹介します。
① 「稚心を去る」
② 「気を振う」
③ 「志を立つ」
④ 「学を勉む」
⑤ 「交友を択ぶ」
では①から⑤に関して簡単に説明させて頂きます。
①「稚心(ちしん)を去る」ですが、「稚心」とはズバリ子どもっぽい心のことです。
橋本左内さんは「自分とその運命を変えようと思うなら、結局、自分の手で何とかする以外に方法はない。」と語り、親への依存心、子どもっぽい心と決別し、己を研鑽することを誓ってます。
②「気を振う」とは、とにかく他人に負けるなと言うことです。
他の人に出来るなら、己にも出来るはずだと言うことです。どんな困難にも真摯に立ち向かおうとする橋本左内さんの決意が表れていますね。(※個人的には他人と勝負はしてませんが自己を鼓舞するきっかけとしては良いと考えますね)
③「志を立つ」とは、自分の人生の目標を決めると言うことです。
先人、偉人の生き方、言葉を習い、それを学び、自分に足らないものを埋めていく大切さが述べられています。
④「学に勉む」は、立派な人物の行いを学び、親孝行するとともに、人生の目標を達成するまで常に学び続けること。
それを自分のためではなく、世の中のために正しく生かすことを橋本左内さんは誓っています。
⑤「交友を択ぶ」は、互いに切磋琢磨できる良き友や仲間を選ぶことが必要だと言っています。
自分を高めて、心から尊敬でき、何かあった時に、真剣に心配してくれる仲間や友達こそ、何よりも大切なのです。また、その仲間や友人が間違った道に行ってしまったら、それを正しい道に引き戻すのも使命であると書いていますね。
天才 橋本左内さんは、15歳と言う人生の節目に立てたこの誓いを守り、短い人生ながらも素晴らしい人財として、教育や政治に大きな成果を残しました。
ここで、特に仲間たちに意識してほしいポイントとして。
①「稚心を去る」
幼い子どもを想像してみると分かりやすいのではないでしょうか。
幼い子は自分の思い通りにならないと、泣いたり駄々をこねたりしますよね。つまり我慢することができない、耐えることができない心です。
また、上手くいかない原因を他人のせいにしたり甘えたりしますよね(笑)
そして目の前の安楽さに流され、遊びにばかりに熱中する。
自分から行動することなく、言われた事しかしないことも幼い心と言えますね。
結局、自分の手で何とかする以外に方法はない。自立すると言うことですよ。
幼いうちはそれでも許されるかもしれませんが、社会人としてそんな気持ちが微塵でも残っていたら、何をしても決して上達することはないし、ましてや自分の夢や志を叶えることなど到底できる訳ありません。
こういった心を捨てない限り立派な大人になれないと15歳の橋本左内さんは言っています(笑)
社会人のあなたは、他人や環境のせいにして逃げる心。さぼる怠ける心。都合の悪いことをごまかす偽りの心。将来を考えず、その時の楽しみに興ずる心。をしっかりと捨ててますか?
今一度考えるきっかけになれば幸いです。