与える力〜②〜
さて今回は、前回より続き「与える力」を体現しているエピソードをご紹介したいと思います。
以前、私がカウンター8席の小さな飲食店を貸し切り、親しい経営者仲間と会食をしたことがありました。その中に、私が敬愛する社長が参加していたのですが、彼の何気ない振る舞いが、まさに「与える力」を象徴していました。
彼は店に入るなり、料理長(オーナー)に向かって丁寧に挨拶し、「今日は楽しませていただきます」と笑顔で一言。
そして、その手には綺麗に包装された手土産がありました。
中身は、高級な日本酒。その店の料理に合いそうなものを、彼自身がわざわざ選んで持ってきたのです。
そして、「お店の雰囲気に合いそうだったから、ぜひ皆さんと一緒に楽しんでください」と、さらりと料理長に手渡しました。
その場にいた他の経営者たちも、その心遣いに感心し、料理長は感激していました。その結果、その日の料理やサービスのクオリティはさらに高まり、店全体が温かい雰囲気に包まれたのです。
この敬愛する社長は、単に「自分が食事を楽しむ」のではなく、料理を作る人への敬意を払い、場をより良いものにするために「与える」ことを大切にしていました。
このエピソードからも納得できるよう「与える」と「御礼」は似て非なるものと言えます。
一見すると、「与える」と「御礼」とは似たような行為に思えます。どちらも相手に何かを差し出す行為だからです。しかし、その本質を考えると、この二つは大きく異なります。
先ず「御礼」は、何かをしてもらったことに対する感謝の気持ちを示す行為です。相手から受け取った恩や好意に対し、それに見合う形で返すことが目的となります。
例えば、贈り物をもらったらお返しをする、食事をご馳走になったら次回は自分が払う、といった行動がこれにあたります。つまり、「御礼」は因果関係がはっきりしており、相手の行為が先にあるのが特徴です。
一方で、「与える」は、見返りを求めず、純粋に相手のために行う行為です。
そこには必ずしも「何かをしてもらったから返す」という前提はありません。
相手が喜ぶこと、成長できること、環境がより良くなることを考え、自発的に行動するのが「与える」です。
例えば、困っている人に手を差し伸べる、後輩に成長の機会をつくる、誰かを応援するために紹介や支援をする、などが該当します。「与える」は、相手の状況や未来を考え、先回りして行動することが特徴と言えるでしょう。
敬愛する方々は「御礼をする」のではなく、「与える」ことを習慣にしているのかもしれません。
「与える」という行為は、必ずしもモノやお金だけではありません。
人と人をつなぐこと、知識を共有すること、気遣いを示すこと。それらすべてが「与える」行為と言えるでしょう。
引き継ぎ、私自身も尊敬する経営者たちを見習い「与える社長」であり続けられるように邁進すると誓います!
関連ブログ:与える力 〜①〜 https://clubmaison.co.jp/blog/2025/03/post-286.html
追記: 与えることは見返りを求めず、仲間の為に行動することです。我々が出来ることで周囲を補完・サポートし、共に成長できる環境をつくることが、真の豊かさに繋がると信じてます。